ゴエティアクロス-各キャラクター/魔導師/暁の協会設定

各キャラクター

主人公

 ポラリス隊副隊長。中級魔導師。魔導師長アドニアの弟子。
 反乱軍の総指揮官、ソロモン王の血を引く。
 瀕死の状態で運び込まれ、長らく眠り続けていたせいか記憶が曖昧になっている。(1部1章1節)
 左手の人差し指にはめた指輪は父の形見。気持ちが落ち着かないときは指輪を触ることが癖。(1部1章1節)
 母親は顔も見たことがなく、抱かれた記憶もない。(イベント追想なる試練の中に)
 暁の協会が運営する孤児院の出身。(4部サタナエル編7章3節)
 体質的に人以外のもの――エルや精霊などと同調することに長けている。(2部サタナエル編6章5節)
 中級魔導師の中で唯一魔導書を実体化した。(2部サタナエル編6章5節)
 最年少で魔導師になった記録を持つ。(3部サタナエル編2章6節)
 2級、1級の最年少記録も塗り替えた。(イベント追想なる試練の中に)
 最年少の中級魔導師。(3部アザゼル編2章6節)
 10年ほど前、2級魔導師だった。(イベント追想なる試練の中に)
 自分の隊を率いていたこともある。(2部サマエル編4章3節)
 魔神に頼り切った戦い方は昔のアドニアにそっくり。(3部ベルゼブブ編5章5節)

クロウ

 ポラリス隊隊長。中級魔導師。魔導師長アドニアの弟子。
 主人公の幼馴染。
 暁の協会が運営する孤児院の出身。(4部サタナエル編7章3節)
 リガルとそう年は変わらない。(1部4章1節)
 最年少の中級魔導師。(3部アザゼル編2章6節)
 10年ほど前、3級魔導師だった。(イベント追想なる試練の中に)
 主人公との模擬戦の結果は10年ほど前で350勝454敗(イベント追想なる試練の中に)ポラリス隊結成時は10戦3勝くらい。(イベント追懐に眠る試練の鍵)
 女神に対して最大の敬意を払う。(1部6章1節)
 冷静沈着で、どんな場面でも最良の決断を下すことができる人物。多数を守るために少数を切り捨てる判断ですら下せる。
 しかし内面は非常に神経質で繊細、それゆえに危うさがある。
 自分が受ける精神的なダメージを減らすため誰とも親しくしようとはせず、隊員たちの名前は覚えていても性格や髪の色、好きなものなどの情報は持たない。(2部サマエル編4章3節)
 魔神に頼り切った戦い方は昔のアドニアにそっくり。(3部ベルゼブブ編5章5節)

リガル

 第2支部のアルタイル隊→ポラリス隊。3級魔導師。
 今年16歳。(3部サマエル編7章5節)
 魔導師としては珍しく、弓を使う。態度や雰囲気も含めて魔導師らしくない。
 回復魔法を使える魔神を所持していない。
 戦いの際には誰よりも堅実で安全な陣を張る。(2部ベルゼブブ編3章1節)
 「魔導師をやめた家」で配給を貰ったことは一度もなく、自給自足で生きていたためか生活力がある。(2部ベルゼブブ編5章2節)
 それもあってか女神への信仰心が薄く、不躾な態度を取ることが多いため度々クロウに窘められている。

エル

 主人公の先祖代々が使ってきた「ラジエルの書」が実体化した姿。
 500年以上前に作られた魔導書で、天と袂を分かつ前に人間に与えられた。(3部サタナエル編3章5節)
 代替わりを重ねているため当時の固有の記憶は所持していない。(3部サタナエル編3章5節)
 「この世界」のみに留まらず別の世界の知識もある様子。(1部5章3節)
 人間より敏感に、そして正確に気配を感知することができる。(2部アザゼル編4章3節)
 人間の聴力の数倍はある。(2部サタナエル編3章2節)

アドニア

 魔導師長。特級魔導師。主人公、クロウの師匠。
 マクレガー、フランツの同期。(3部ベルゼブブ編3章3節)
 部下を褒める人間ではなかった。(3部ベルゼブブ編5章5節)
 親の顔も知らない孤児。同じ孤児院出身であるケネスの血の繋がらない兄。
 魔導師としての資質を見出され、協会の保護下におかれた。(4部サタナエル編7章3節)
 神魔撃滅陣を使用している。(4部サタナエル編編8章6節)

チック

 第1支部長。准特級魔導師。
 素顔を決してさらさない不気味な男。本部にも顔を出したことがない。
 魔神を共に戦う仲間とは考えていない。(4部ベルゼブブ編8章1節)
 相当な強者だが、フランツ達とは一線を引いている。(4部アザゼル編8章6節)

マクレガー

 第2支部長。准特級魔導師。
 アドニア、フランツの同期。(3部ベルゼブブ編3章3節)
 大剣を使う魔導師。
 脳みそまで筋肉で作られているような男。(3部ベルゼブブ編2章3節)
 天界大戦より以前から存在する年代ものの魔導書を使用している。(3部ベルゼブブ編2章6節)

フランツ

 第3支部長。准特級魔導師。
 マクレガー、アドニアの同期。(3部ベルゼブブ編3章3節)
 魔法をかけて周りには子供に見えるようにしている。外見年齢はリガルよりも幼い。
「陣風」のフランツ。特攻隊長。誰よりも先に戦場の最前線に立ち誰よりも先に敵を殲滅する。(3部アザゼル編2章3節)

ダイアン

 第4支部長。准特級魔導師。
 蛇を飼いならしており、斥候にしている。
 最初に配属されたのは第3支部。弟と共に配属された。弟が亡くなったことが原因で当時隊長だったフランツを憎んでいる。(4部サマエル編2章3節)

ケネス

  第5支部長。准特級魔導師。
  天魔の研究者。
  簡易的な幻影探知機になっているモノクルを左目にしている。(3部サタナエル編4章1節)
  同じ孤児院出身であるアドニアの血の繋がらない弟。(4部サタナエル編7章3節)
  他の支部長とは違い病弱な顔をしているからかよく一般魔導師に間違われる。(3部サタナエル編1章6節)
  リカバー(3部サタナエル編1章3節)、ヴォルテックス(4部サタナエル編1章6節)を使用している。

魔導師

 世界を救う使命を課せられた勇者などではなく、れっきとした職業。任務に対して給金が出る。(2部サマエル編3章2節)
 魔導書と契約する際に対価を決める。
 魔導書と契約した者はその時に約束した対価を支払い続けなければならない。一度契約すると一生対価からは逃げられない。(2部アザゼル編2章4節)
 階級が彫られた腕章をしている。外套を着ているのは中級魔導師から。

暁の協会

 ソロモンが設立した組織。(4部サタナエル編7章6節)
 数千人を超える大きな組織。(3部サマエル編2章5節)
 周辺の村や貴族からの寄付金で成り立っている。(2部サマエル編3章2節)
 本部以外にも各地に5つの支部を持っている。明確に分かれているわけではないがおおよその管轄が存在。(2部サマエル編2章1節)
 5つの支部それぞれに神殺しをするための兵器『五芒聖』がある。
 支部の魔導師の数は本部の1/5。支部長が独自の方法で支部を守る策を講じている。(2部サマエル編4章1節)
 全魔導師の1/2という勢力を所有していた本部は防衛策を講じる必要がなかった。(2部サマエル編4章2節)

 階級は←特級、准特級、上級、中級、1級、2級、3級
 通常、配属されたばかりの3級魔導師は数か月の訓練を経てその後、正式に部隊に入隊する。(2部サマエル編5章1節)
 本部は中級魔導師から部隊を持つ。支部は人数が少ないため1級魔導師でも部隊を任される。(2部サタナエル編1章1節)
 中級魔導師ともなれば3級魔導師の数倍は給金をもらっている。
 中級魔導師は3級の20の1ほどの人数しかいない。中級以上になると定員が設けられており、欠員が出ない限りは昇進する事も出来ない。
 実際は中級も入れ替わりが激しく、数ヶ月から数年で殉職するものがほとんどで欠員待ちになることは少ない。(2部サマエル編3章2節)
 准特級魔導師は現在8名。内5名が支部長の任についている。(3部ベルゼブブ編2章3節)

 連絡手段は鳩を飛ばしている。(3部サマエル編2章3節)

 本部 魔導師長アドニア。ポラリス隊、シリウス隊が所属。古城をそのまま利用しており、レンガ造りの強固な要塞。(1部6章1節)
 第1支部 チック。
 第2支部 マクレガー。タラゼド隊、アルタイル隊が所属。本部にも負けない規模の建物。(4部ベルブブ編1章5節)
 第3支部 フランツ。イゼル隊が所属。本部にも負けない規模の建物。(4部アザゼル編1章1節)構造が本部に似ている。(4部アザゼル編1章3節)
 第4支部 ダイアン。スラファト隊が所属。
 第5支部 ケネス。グリーゼ隊が所属。暁の協会唯一の研究所があり、主に天魔の研究を行っている。(3部サタナエル編2章1節)

ゴエティアクロスのソロモンとゴエティアのソロモン

ゴエティアクロス

ソロモン 堕天使と結託し神に戦いを挑んだ、地上の王。暁の協会の設立者。10人以上の兄弟と数人の子どもがいる。忘却の奇譚―サマエル編―にて登場。サマエルとは相思相愛の仲だった。

主人公の先祖

アドニア「中でもお前は反乱軍の総指揮官、英傑ソロモンの血を引く者だ。この場の誰よりも才に恵まれている」
(op)

ケネス「主人公君、あなたはソロモン王の末裔なのです」
(4部サタナエル編7章6節)

アドニア「心して聞け。おまえはソロモンの末裔であり、おまえの持つラジエルの書は特別なものだ」
(4部ベルゼブブ編4章5節)

アドニア「主人公……おまえは――ソロモンの末裔だ」
(4部サマエル編4章6節)

アドニア「主人公、お前は――ソロモン王の末裔なのだ」
(4部アザゼル4章6節)

10人以上の兄弟と数人の子どもがいた

妾は一目見てわかった。
あやつからお前の匂いがしたのだ。
妾が間違えるものか。すぐにわかった。
妾は今日、お前の血縁に会ったぞ。ソロモン王。
(サブストーリーアスタロト編4章1節)

お前は確か、10人以上の兄弟と数人の子どもがいたな。
その中で天界大戦を生き残った者がいたのだろう。
だからこうして妾はあやつと出会えたわけだ。
そうだ。
あやつに聞くのを忘れてしまった。
大戦で、『お前』がどうなったのかを。
(サブストーリーアスタロト編5章1節)

初めて神より魔導書を授かった人間

アスタロト「500年前反乱軍を引いていた人間の王。あれはかつて初めて神より魔導書を授かった人間だ」
(3部サタナエル編8章6節)

暁の協会の設立者

ソロモン――かつての天界大戦の総指揮官であり、暁の協会の設立者。
(4部サタナエル編7章6節)

クロウ「魔術王ソロモンは500年前の天界大戦時に人間側の指揮官を務めていた人物です。暁の協会発足に関わったとも言われる大魔術師ですね」
(4部サマエル編7章3節)

彼の言葉に心動かされ幾人もの天使たちが堕天した

王の存在だ。
あやつの言葉に心動かされあやつの思想にかぶれた幾人もの天使たちが堕天した。
かく言うワシもその一人。
じゃが王に力を貸したいと思ったわけではない。
あくまで仲間のためだ、それ以上でもそれ以下でもない。
(サブストーリーバエル編6章1節)

ゴエティアクロス 忘却の奇譚―サマエル編―

穏やかで美しく、皆を虜にする不思議な魅力のある人物

あなたが幼い頃、始めてソロモン王の伝説を知った時から、その姿は猛々しい武人を思い描いていた。しかし目の前にいるソロモン王は穏やかで美しく、皆を虜にする不思議な魅力のある人物である。
(サマエル外伝2章5節)

武力による争いではなく対話による解決を望んでいた

ソロモン「知っての通り、軽度の罪でも天魔が人間を襲い、地上は荒れ果てつつある。だから私は、止めたかったんだ」

そう仕向けた神に、ソロモンは初めから武力による争いをする気はなく、あくまで対話による解決をしようとしていた。
(サマエル外伝2章3節)

ソロモン「サマエル……だめ…だよ…」
ソロモン「私たちは……戦による解決は……望んでいないはずだ……」
(サマエル外伝2章6節)

魔導師としての力が強く、王になった

ソロモン「天界と地上が平和な関係を築けた時……私は王の立場を誰かに譲り、退くつもりなんだ」
エル「あなたは……王ではなくなるのですか?」
ソロモン「うん。私は魔導師としての力が皆よりほんの少し強くて王になっただけだから……私よりも王にふさわしい者がいるはずなんだ」
(サマエル外伝2章6節)

堕天したサマエルの意を汲み、共に戦うことを決めた

ソロモン「私も共に戦おう。この身が地獄の底へ沈むことになっても……私の愛するこの世界を救うために」
(サマエル外伝2章6節)

ゴエティア-千の魔神と無限の塔-

ソロモン 神に滅ぼされた己の世界を救うために自ら地獄へ堕ち、世界を作り替えた。目的のためには手段を選ばず、他世界から熱量を奪って糧にしている。今作のラスボス。

地獄の始まり

 この世界は、「無」であった。
 無の世界に、「男」が堕ちた。
 男は神々より大いなる知恵と指輪を授かった「王」であった。
 王は、その知恵によって禁忌である「魔神」を使役した。
 神に与えられし「指輪」で己の身を護りながら。
 知恵と力により国を導いた男は、真の繁栄を見届けることなく散る。
 そして、死後――男は、この世界へと堕ちた。
……
 無の世界は、「地獄」であった。
 力と知恵、指輪と――そして、魔導書さえあれば、無の世界に「有」を生み出すことなど容易かった。
 力を得た、「無」――「地獄」であり、「基底世界」
 男はこの「地獄」……すなわち「基底世界」に「レメゲトン」――地獄の核である「地獄の支配者」に、「ゲーティア」という名を与えた。
 男が持つ、数々の魔導書からとった名だ。
 そして、基底世界は――男より、「意思」を授かる。
(エニグマ 一の石板 天恵)

 私が、名もなきただの観測者だった頃。この世界も、基底世界などとは呼ばれていなかった。
 名はおろか、言葉もない。世界の裏側にあるのは、死を収める闇だけ。
 そんな地獄に変化が起きたのは、あの人間の来訪がきっかけだ。
 大いなる力を持ち、神に反乱した英傑。地上の光、稀代の魔導師とも呼ばれた、一人の人間。私が観測を始めてから現在までの間、彼を超える者は誰一人として現れなかった、特別な存在。
 ある日、前触れもなく「地獄」へやって来た、彼。
 ――その者の名を、ソロモンという。
(第十塔界 名もなき世界の記録Ⅱ)

ソロモンが地獄に堕ちた理由

テウルギア「――私は、知っている。ソロモンが、何のために地獄へ堕ちたのか。何のために、基底世界に力を蓄えようとしているのか。何のために、基底世界と融合を果たしたのかを」
テウルギア「――かの男の目的は、ただ一つ。滅びの結末が定められた自らの世界を救うため。死すらも欺き、自ら地獄の扉を開いた。全ては、己の世界の救済のために仕組まれたこと。私はそれを知りながらも、観測者の役目に徹した」
(第十塔界 膨張し乱れる意思Ⅰ)

ソロモンの想い

「私は、全てを理不尽に奪われた。築き上げた国を、兵たちを――愚かな神々の、気まぐれの企みで。だが、非情なことに……世界の正義として祀られるのは、勝者だ。戦いに敗れてなお抗う勇気ある者たちは、みな「反逆者」と定義される。反逆者の烙印を押されても――私は抗い続けた。抗い、正義の神に刃を向け、そして――。――ここ、地獄へ至る道を拓いた」
「……私がどれだけ優れた力を持っていたとしても。たった一人の人間の力では、神へ対抗することなど不可能だ。故に、私はここで神に対抗し得る力を蓄えると決めた。必ずや己の世界を救うと覚悟を決め、地獄へ堕ちたのだ」
(基底心核 意識崩壊)

決して豊かとは言えぬ土地だった。

ひとたび塔界へ根を伸ばせば、私の世界より遥かに優れた場所など、いとも簡単に見つかった。

目を奪われるような美しい景色、豊富な資源、溢れんばかりの熱量。
神に全てを奪われることなく、平和を謳歌する世界。

その全てが妬ましく、憎らしい。
なぜ私だけが戦わねばならない?
なぜ私たちは戦わなければ明日を臨むこともできない?

何もかもが、不平等で不条理だ。

私を慕う全ての者たちに、誓った。
私を地の底へ送るため犠牲となった、赤き血に誓った。

世界に、平穏をもたらすことを。
神々を討つ力を得て、雪辱を晴らすことを。
奪われたものを取り戻すことを。

私は地獄を支配した。
基底世界を掌握し、神を討つ足掛かりを得た。

だが、これではまだ足りない。
全ての世界から熱を集めなければ、神の首を取るには至らない。

私の敵は、それだけ強大なのだ。
私の使命は、それだけ大きく重いのだ。

必ず、誓いを果たさなければならない。
私自身が鬼になろうとも。
私自身が神に等しきものとなり、神を討たなければならない。
(目録 レメゲトン・ソロモニア)

周囲の反応

アスタロト「ソロモンの……目的。滅びゆく自らの世界を、救うため……?」
メタティアクス「そのために、他の世界全てを犠牲にして? くだらない……くだらないわ。わたしはそんなもののために力を貸したんじゃない!」
メタティアクス「フン……今更吠えたところでどうにもならないけれど。随分と自分勝手なのね、英傑様っていうのは」
(第十塔界 膨張し乱れる意思Ⅰ)

メタティアクス「……なにが観測者よ。こんなの、もうとっくに観測の域を出ているわ」
アスタロト「誰よりも人を、世界を見ていた。奴は、言葉を獲得するずっと前から観測者とは名ばかりの何かになっていたのかもしれん」
メタティアクス「それでも不干渉の観測者でい続けようとして、基底世界で起こっていることを全てを黙殺してきた……。……馬鹿みたい。こんな記録、今すぐにでもソロモンを追い出したいって言っているようなものだわ」
(第十塔界 膨張し乱れる意思Ⅱ)

誰かの声「地獄を丸ごと乗っ取れるほどの力――永い月日の中でも、ソロモンが本来持っていた力は全く失われなかったようね。ホント、嫌になっちゃうくらい反則じゃない。でも、彼がここへやって来たのは、本来の自分の世界を救うためだった。これだけの力を持っていながら倒せなかった相手かぁ。なんだか末恐ろしくなっちゃうわ」
クラウラ「私には神を信仰するような意思はないけど、圧倒的な力を前にひれ伏すしかない人間の気持ちが少しだけ分かった気がするの。……でも、ひれ伏さずに戦った人間もいた。ソロモンと、そして――「あなた」という存在を巡る螺旋回廊の始点。この世界の王になり、ソロモンに絶大な力を与えるはずだった人間。彼らの願いを無碍にするつもりはないわ。テウルギアが観測してきた世界の中で、どれだけの苦悩の果てにこの道を選んだのかも知ってる。他の世界から力を奪うような卑劣な鬼になろうとも、自分たちの世界を救いたいという願いは、覚悟を決めなければ抱けないわ」
(基底心核 彼女の声)

ティア「さあ、「ソロモン」。永い永い君の戦いに、決着を付けよう。君の悲願と、僕たちの望み――どちらが勝つのかを。きっと、何も間違っていないんだ。君たち人間も、僕たちも、魔神も――なにかの犠牲の上に成り立っている」
アスタロト「この戦いに勝利した方が、「正しい歴史」となるか……。ククク、それはそれで面白いではないか」
メタティアクス「「取るに足らない者たち」がどれだけしぶといのか、思い知らせてあげるわよ……「稀代の魔導師、ソロモン王」!」
(基底心核 レメゲトン・ソロモニア)

決戦後

「………………消えていく。私の世界の、弱き民が。神に抗う術を持たぬ、非力な者たちが。消えていく……緑の大地が。燃やされ、砕かれ、死んでいく。消えていくのだ、お前たちの行いによって。世界は救われることなく、蹂躙され死に絶える。お前たちが、私の世界を――」
メタティアクス「――殺したも同然だ、なんて言うつもり?」
アウトテート「それは違うだろ……お前だって分かってるはずだぜ、ソロモン」
ハルパクス「あなたは……心の何処かで待っていたのではありませんか。誰かが、あなたの「戦い」を止めに入ることを」
メタティアクス「だからこそ、主人公がここまで進んでくるのを止めなかった。……違うかしら?」

ソロモンは、メタティアクスの問いに沈黙で答える。
鋼鉄の体の表情こそ分からないものの、あなたには彼がどんな顔をしているのか分かるような気がした。

アスタロト「お前の世界に生き、明日を望んだ者たちにとっては世界を救わんとするお前はまさしく救世主そのものであっただろう」
バエル「じゃが、オヌシは敗れた。一度は神々に敗れ、そして此度は――数多の枝から熱を吸い続ける基底世界を切り離し、全ての世界を在るべき形に戻さんとする主人公に、オヌシは敗北したのじゃ」
ベリアル「まだ戦うっていうならあたしは相手してやるぜ。……もうそんな力なんて、どこにも残ってないだろうけどな」

「……」

ソロモンは、やはり答えない。
いつの間にか独白の声ですら掻き消え、目の前の鋼鉄は物言わぬ器となっていた。

レン「ど、どうなったのですか……?」
テウルギア「……ソロモンの魂――いや、「執念」というべきか。それが、霧散して消えていった。散り際すら見せないとは、王の矜持といったところか……」
(基底心核 悲願と執念)

枝と辿るかもしれなかった世界の話

ゴエクロ世界はループしているでは少し話が逸れるため触れませんでしたが、枝/辿るかもしれなかった世界の話は前作ゴエティア-千の魔神と無限の塔-でも出てきています。

ゴエティア-千の魔神と無限の塔-

レン「主人公様が召喚されたこの世界は 既に滅びを迎えようとしています。中央に1本の塔がある世界。それが元ある姿でした。塔には世界を統べる王が君臨し、王の力により世界に命の流れが生まれていたのです」
レン「ですが、王は姿を消しました。そして王が姿を消すと同時に、この世界は滅びに向かって歩み始めたのです。王が姿を消すだけで滅びに向かう理由は簡単です。この世界の熱量は、塔が他の世界にまで枝を伸ばし、少しずつ分けて貰う形で得られていました。葉より熱を得て根に返す。いわゆる樹木とは全く別の形ではありますが、そうして世界を維持していたのです。塔が導く階層世界「塔界」主人公様の世界もその一つかもしれません。塔界からの供給が断たれているのが現状です」
レン「話が長くなってしまいました。主人公様は世界を救うため、「新たな王」となって頂くために召喚されました。王の候補者にも塔を産み、枝を伸ばす力はあります。塔は持ち主の力に応じてその枝を広げ、新たな塔界へと導かれるでしょう」
(基底部 目覚めた先に)

ナータン「塔が貫くのは、いくつもの世界。辿るかも知れなかった可能性を内包した世界だ。この概念はあいつから聞いたものだけどな。まるで物語のようだ、と笑っていたよ。元の世界では溢れている空想だと。俺もそのときは笑った。だが、今なら理解できる。
 『いくつものお前やネイサンが存在する』この世界を見てな」
(第四塔界 ナータンの言葉 Ⅲ)

ナータン「ああ、変わったのは「第五塔界以降」だけだ。「第四塔界まで」と「第五塔界以降」は、違う塔だったんだろう。「第四塔界まで」は、あいつと、あいつの可能性である主人公が繰り返し続けた世界。ルールが壊れた「第五塔界以降」は可能性の繰り返しがない。必要ないからな。だから、繰り返さなかった場合の世界だ。「繰り返した場合の世界」と「繰り返さなかった場合の世界」がある。それぞれが真っ二つになってくっついたってことだ」
アスタロト「……お前が夢想家だとは思わなかったぞ、ナータン」
ナータン「昔あいつが言っていたことを思い出してね。少し考えてみたんだ」
(第五塔界 未知の世界)

ゴエティアクロス

クロウ「我々には空間の歪みが見えません。グレモリ様にはどのように見えているのですか」
グレモリ「うーん、そうねー。難しい質問だけど、あえて例えるなら木の枝かしら」
クロウ「枝……ですか?」
グレモリ「ええ。今私は、ベルちゃんと話した空間の狭間まで伸びている枝を辿っているの」
リガル「なんだよ、その言い方だと枝っていうのは何本もあるみたいじゃねーか」
グレモリ「その通りよ。空間から空間に繋ぐ木の枝は複雑に重なりながら伸びているの。今私たちのいる世界が木の幹だとすれば、ベルちゃんがいる場所はその幹から伸びた枝のひとつでしかない。木はたくさん枝を伸ばすでしょう? だからここから沢山の枝が伸びている」
グレモリ「この世界が辿る可能性のある未来。この世界が辿るかもしれなかった過去。もしかするとこの世界とは限らないわね。でもね、その辿った先の世界もそこから枝が伸びている場合もあるの。だからさっきこの世界が木の幹と例えたけれど、もしかするとどこかの木の幹の枝の一部なのかもしれない」
(2部ベルゼブブ編6章5節)

ゴエクロ世界はループしている

世界はループしている?

この世界がループしているのは、序盤で示唆されていました。
初出は1章6部4節です。

「終わった世界を、また始めるために」主人公の決意の後に場面転換し、髪が黒いエル(以降、黒エル)が語り始めます。

エル?「……」
エル?「……やはり、こうなってしまうのか。神に抗う者よ」
エル?「私は……知っている。滅びの輪廻を知っている」
エル?「この先は、あなたが選択した並行世界」
エル?「あなたは4度枝<<ルート>>を繰り返した。そして――私はその結果を知っている」
エル?「でも、私に語る資格はない。私はあなたを止めることができなかったのだから……」
エル?「だから言わない。あなたは自分で思い出さなければならない」
エル?「あなた自身で見極めなくてはならない。4つの枝から伸びる先端が未来につながっているのかいないのかを……」
(1章6部4節)

「……やはり、こうなってしまうのか」本部が壊滅し、女神が連れ去られるのを彼女が見るのはこれが初めてではないことがわかります。
彼女の言葉通り、物語はこの後サタナエル・ベルゼブブ・サマエル・アザゼルの4ルートに分岐します。黒エルは全てのルートを観測してきた存在ということです。
黒エルの他にも、枝について触れられているシーンがあります。

クロウ「我々には空間の歪みが見えません。グレモリ様にはどのように見えているのですか」
グレモリ「うーん、そうねー。難しい質問だけど、あえて例えるなら木の枝かしら」
クロウ「枝……ですか?」
グレモリ「ええ。今私は、ベルちゃんと話した空間の狭間まで伸びている枝を辿っているの」
リガル「なんだよ、その言い方だと枝っていうのは何本もあるみたいじゃねーか」
グレモリ「その通りよ。空間から空間に繋ぐ木の枝は複雑に重なりながら伸びているの。今私たちのいる世界が木の幹だとすれば、ベルちゃんがいる場所はその幹から伸びた枝のひとつでしかない。木はたくさん枝を伸ばすでしょう? だからここから沢山の枝が伸びている」
グレモリ「この世界が辿る可能性のある未来。この世界が辿るかもしれなかった過去。もしかするとこの世界とは限らないわね。でもね、その辿った先の世界もそこから枝が伸びている場合もあるの。だからさっきこの世界が木の幹と例えたけれど、もしかするとどこかの木の幹の枝の一部なのかもしれない」
(2部ベルゼブブ編6章5節)

世界を木に例えたグレモリの説明は、ベルゼブブルートが始まりではなく枝分かれした後の世界であることを仄めかしています。
沢山の枝が伸びているとも言っていることから、主人公が繰り返した4ルート以外にも無数の可能性が存在しているのが伺えますね。

序盤の黒エルの台詞、グレモリの例えで、ループしている世界の内の一つであると推測できます。
しかし黒エルは「並行世界」とも言っており、4ルートが同時進行だったのかどこかのルートの全滅後に他ルートが始まっていたのかまではこの時点では明らかになっていません。
何をトリガーにして繰り返しているのかも不明です。
判明したのは5部サタナエル4章5節です。

アドニアは、数々の歴史書や古文書、遺跡等を独自に研究し、人類の勝利への道筋を命懸けで探ってきた。そして、一つの結論を導き出した。それは、神に抗うための鍵とされてきた女神さえ信じることができないというものであり、この時アドニアは真の絶望を味わった。
(女神は、力だけであれば神にも届きうる。しかし、どれほどの力があろうと我々が勝利することはない。なぜなら……)
アドニアは確信していた。この世界は、何度も同じ「時」を繰り返している。恐らくは500年前の神への反乱から。(中略)

時が何度繰り返しても女神は反乱し、人類は滅ぼされる。幾度も人間たちに絶望を与えるのは創世神だけではなく人間を争いに巻き込む女神もなのだ。
(5部サタナエル4章5節)

死に際のアドニアの回想でこの世界が500年前から繰り返していることが確定しました。
何度繰り返しても人類は滅ぼされると言っていることから、トリガーは「この世界の滅亡」であると思われます。

もうひとつ、立てた仮説がある。肉体が滅んでも魂に記憶が刻まれている、あるいは刻まれている人間がいるというものだ。それは、時の繰り返しを知っているということであり、「時」が戻る度に戦いと絶望を味わい、魂は傷つけられていることになる。
アドニア(今生の命が尽きても、記憶を保ったまま初めから繰り返す……これほどの絶望が、あろうものか……)
これまで自分が歩んできた血塗られた道が正しいなどと、胸を張って主張することは到底できない。だが、アドニアは地上の希望であるソロモンの末裔、主人公を見出した。主人公の素振りを見るに、時の繰り返しを認知しているとは考えにくい。しかし、大魔導師の末裔ならば魂の謎を解き明かせるだろう。
そして、きっと「次」こそ、天と地が平定された、平和で光に満ちた世界が訪れるかもしれない。
(5部サタナエル4章5節)

世界はループしている

・この世界は500年前の神への反乱から繰り返している。
・サタナエルルート以前から何度も繰り返しており、サタナエルルートで人類が滅ぼされると500年前まで時が戻り次の世界が始まる。
・時の繰り返しが魂に刻まれ、知っている人間がいる。(アドニアは知らない)

これらの重要な情報が明かされました。
では、4ルートはどんな順番で繰り返しているのか? 時の繰り返しを知っている人間はいるのか? を考えていきたいと思います。

4ルートはどんな順番で繰り返しているのか

まずはメインストーリーの遷移画面を見てみましょう。

上から順番にサタナエル、ベルゼブブ、サマエル、アザゼルルートで並んでいます。これらはメインストーリーの更新順でもあり、サタナエル編が最初に更新されるようになっています。
最初に「この世界がループしている」と明かされるのもサタナエル編で、この枝が終われば次が始まると示されていることから、他3ルートはサタナエルルートの後だと推測できます。
裏付けるシーンがベルゼブブルートにあります。

あなたは夢を見ている。自分でもそれに気づいているが、現実と遜色のない鮮やかな光景だ。
今まで訪れた事のない城のような場所にあなたはいる。
そして、隣にいるのはベルゼブブとサマエルではなく、これから救いに行くはずのサタナエルの姿だった。

サタナエル「皆の者! しっかりしろ!」

サタナエルが凛と響く声で叱咤する。

サタナエル「我ら女神が必ずお前たちを古城の外へ導こう。辛いだろうが今は私たちを信じて耐えてくれ」

戦いに消耗した魔導師たちの顔つきが変わるのを、あなたは感じ取った。
そうだ、女神たちの言葉には力がある。人間の心を動かす力だ。それが女神が女神たる所以なのかもしれない。
この光景は経験したことのない出来事のはずだが、あなたはなぜだか初めて見た光景には思えなかった。

まるで、一度この光景を体験したかのように……
(4部ベルゼブブ編2章6節)

主人公が「まるで、一度この光景を体験したかのように……」と夢に見たのは、4部サタナエル1章5節での出来事です。
主人公はサタナエルルートの後にベルゼブブルートに入ったのがわかります。つまりサタナエルルートはバッドエンドです。
ベルゼブブルートで思い出すのがサタナエルルートのみであったということは、順番はサタナエル→ベルゼブブだと考えてよさそうです。
これはメインストーリーの並び/更新順も一致しますので、サタナエル→ベルゼブブ→サマエル→アザゼルの順で主人公は繰り返していったのではないでしょうか。
ただし外伝、忘却の奇譚ではサタナエル→アザゼル→サマエル→ベルゼブブでしたので、違っているかもしれません。

時の繰り返しを知っている人間はいるのか

サタナエル5部前編まで更新された現在、時の繰り返しを知っている人間はアドニア以外に出てきていません。
そのアドニアも魂に刻まれているのではなく、自力で答えに辿り着いています。

しかし、ベルゼブブルートにて「時の繰り返しを認知しているとは考えにくい」と言われていた主人公が以前のルートを夢に見ました。
他の人間も、夢で見るくらいはあるかもしれません。
可能性が見えるのが、グレモリに枝の説明をされた後のクロウの反応です。

クロウ「辿るかもしれなかった未来……過去……」
リガル「辿る「かも」しれなかった未来とか過去とかそんなのどうだっていいだろ。俺がいる場所が今なんだから」
グレモリ「ふふふ……! その通りよ! 今言ったこと決して忘れないで。それを忘れなければ私たちはこれからも戦っていけるわ」
リガル「あ? ああ」
クロウ「…………」
(2部ベルゼブブ編6章5節)

グレモリが何を言っているのかわかっていないリガルに対し、クロウは考え込んでいます。
サタナエルルートでは対価が原因で寿命が短くなり、このまま死亡すると思われるクロウは、何かを覚えているのかもしれません。
記憶があったとしても、黙っている人間もいるでしょう。個人的には女神の前に姿を見せようとしない第一支部長チックがそうではないか、と思っています。

本編のみではなく、イベントでも気になる発言があります。
1周年記念イベント、追想なる試練の中でのエルです。

エル「本当はあの時、あなたの前に我慢できず現れたのは私の方なんです」

あの時というのは、あなたがエルと初めて出会った時のことだろう。しかし、我慢できずに現れた、というのは一体……?

エル「主人公様とクロウが魔導書の実体化を目指すと知った時に、以前より抱えていた想いが溢れ、自分を抑えられなくなっていたのです。……私は契約したあの日から、ずっと主人公様にお会いしたかった」
エル「本当は、あの時に課した試練も実体化の理由をつけるために行ったこと。本当なら、私たちが出会うのは――むぐっ!?」

エルがそこまで言いかけた所であなたは彼女の頬を軽くつねる。どんな事情があったかはわからないが――彼女に出会えたことで自分は強くなれたということと、そして、これからもずっと一緒にいて欲しいということを伝え、手を離した。
(一周年記念イベント 追想なる試練の中で)

エルが何を言おうとしたかは、主人公に遮られわかりません。文脈的に「本当なら、私たちが出会うのはもっと先になるはずだった」「別の場所だった」といったところではないでしょうか。
このエルは以前にも主人公に出会った記憶があるのです。
それを考えると、本編のエル≠追想なる試練の中にのエルだと思います。

誰が何のために繰り返しているのか? はまた後日考えたいと思っています。

何故天使は味方になったのか

以前ツイッターで結論を出してすっきりしたんですけど、自分のために改めてブログにまとめておこうかな~と。

議題は「敵のはずの天使が味方になった理由はなにか?」
ストレートな答えは大人の事情です。昔ツイッターでミカエルが紹介されたときはユニット化の予定はありませんって書いていましたし。
このこと自体は特に言うことはありません。そういうものだと納得しています。
その上で、ゲーム内での彼女たちの性格や事情を考慮したときに「どんな理由があれば彼女たちは神を裏切ってこちら(魔導師)側につくのだろう」という疑問です。

様々な可能性を考え、随分前(19/9/18公開)にfusetterでフォロワー限定公開の記事を書きました。
その時、ミカエル、ラファエル、ウリエルについては自分なりの答えを出しました。世界線が違えば仲間になることもあるだろうと。
しかし、ガブリエルだけは何があったら味方につくのかと腑に落ちませんでした。
当時の私には何故ガブリエルだけが納得できないのかを上手く言語化できず、もやもやとした気持ちを抱えていました。
それが解消されたのは4女神の過去を巡る外伝、忘却の奇譚―ベルゼブブ編―(21/01/28公開)です。

作中でガブリエルはこんな台詞を言っています。

「どうして神からこれほどまでの寵愛を受けているのに拒むの!? みーんな神からの愛を渇望しているのに、なぜ!! 私は神をだれよりも愛している……! その私が認めるあなたこそが、神の隣にいなければならないの!」
(ベルゼブブ外伝2章6節)

「私は神を誰よりも愛している。その私が認めるあなたこそが、神の隣にいなければならない」
ガブリエルがベルゼブブに執着し、天界に連れ戻そうとする理由は「神にとってそれが一番いいと私が思っているから」です。他の天使はどうでしょうか。

ミカエルは「心から愛しているサタナエルに同じように愛してほしい」
ラファエルは「右座の守護者に左座の守護者として認めてもらいたい、アザゼルと親友でいたい」
ウリエルは「サマエルに一番の弟子だと褒めてもらいたい」

が執着する理由かな、と私は思っています。この辺りは人それぞれの解釈が入ると思います。

ミカエル、ラファエル、ウリエルは神に忠実ながらも、別枠で相手を一番にしています。なのに相手は自分を一番に想ってはくれず、あまつさえ相談もなく裏切り、話し合えば和解できるはずと思っています。無理です。結果、拗れに拗れました。
でも、もし、一番に想ってくれた上で相談してくれていたなら。相手と同じ道を選ぶ世界もあるかもしれません。
中でも想像しやすいのはミカエルです。彼女のボイスに

「お姉さまを汚す輩には……死を」(戦闘開始時)
「いけない子にはお仕置きが必要ですわね」(戦闘開始時)
「あなたの成長はわたくしの喜びですわ。共にお姉さまに尽くしましょう」(ホーム時)

というものがあります。サタナエルのそばにいることを選んだのが窺えますね。
また、召喚時には

「わたくしにあなたのすべてを見せてください。その器、わたくしが見極めて差し上げますわ」(召喚時)

と言っています。サタナエルを任せるに値する人間なのか、彼女は見極めようとしているようです。
ボタンを掛け違っていなければ姉のサタナエルと共に地上に降りてくるルートもあったのでしょうし、途中からでも仲間になるルートもあるのでしょう。

では、ガブリエルは?
彼女は仲間になってからも「神の伝言者」という立場を捨てていません。彼女のボイスには

「私に任せておけばすべて上手くいく。私の言葉は、神の言葉なのだから」(召喚時)
「これが伝言者<メッセンジャー>の力よ」(戦闘終了時)
「神の言葉に耳を傾けないからよ」(戦闘終了時)

などがあります。ガブリエルがそういうキャラクターだから、で録られたボイスですが、神の味方のような口ぶりで神が放つ天魔を倒していくのはなかなかに不思議な光景です。
更に本編でこんな台詞も言っています。

「ぷ、あはは! 味方? 味方なわけがないでしょう! 私の心は昔も今も創世神と共にあるわ。私は神の伝言者ガブリエルよ」
(3部ベルゼブブ編8章6節)

「私の心は昔も今も創世神と共にある」
仲間になっても神の伝言者の立場を捨てていないように、これはどの世界線であっても揺らがない彼女の信念だと思います。
ガブリエルは自分が愛する神を裏切ったベルゼブブを許せず、他の三天使たちは自分を裏切った相手を許せないのです。
ラファエルは「あたしを裏切ったことを後悔させてからじゃないと」とはっきり言っています。

「ここで! あんたを殺したっていいのよ! あはははは! でも、それじゃもったいないでしょう! もっともっと、あたしを裏切ったこと後悔させてからじゃないと……!」
(4部アザゼル編3章6節)

ミカエル、ラファエル、ウリエルはそもそも相手と拗れることもなく、人間も大事に想う気持ちに耳を傾けていたなら、魔導師側にいる世界線もあると思う。ガブリエルだけは三人とは異なり、神を動機にしているから想像しづらい。が今の私の結論です。
ガブリエルがベルゼブブに執着する理由が明確になったことにより、ようやくすっきりしました。
ちなみに仲間になるにあたって今後の本編で、という発想がないのは、天使陣が既に色々やらかしすぎていて個人的に和解はないと思っているためです。

これらを全部ひっくるめて、「まあ実装しちゃったもんは仕方ないよね。そういう世界線もどっかにあるよね」です。

ソロモンの魂を持つ者たち

ゴエティアクロス

ソロモン 堕天使と結託し神に戦いを挑んだ、地上の王。暁の協会の設立者。10人以上の兄弟と数人の子どもがいる。忘却の奇譚―サマエル編―にて登場。サマエルとは相思相愛の仲だった。

主人公 ソロモンの子孫。記憶喪失で、自身がソロモンの末裔であることを知らない。ウリエルがソロモンと間違えたほど容姿もしくは魂がソロモンと似ている。

↓ 数千年後?

ゴエティア-千の魔神と無限の塔-

ソロモン 神に滅ぼされた己の世界を救うために自ら地獄へ堕ち、世界を作り替えた。目的のためには手段を選ばず、他世界から熱量を奪って糧にしている。今作のラスボス。

あいつ 先代候補者。ソロモンの生まれ変わりで、彼と同じ世界から地獄に堕ちた。その存在は他者から語られるのみであり、直接的には登場しない。▹ゴエティアでのあいつについて

主人公 当代候補者。王にならなかったあいつの代わりとして召喚された、あいつの並行存在。あいつと酷似しており、同じことを繰り返すことを恐れたアスタロトによって記憶を奪われている。ソロモンとの決着をつけた後は転生し、観測者レンに見守られている。

本編主人公以前の主人公 幾回、幾人も呼び出されては失敗していた。主人公が召喚される10日前に召喚された人物は2日で同期のジェイクに刺殺されている。