ゴエティアクロス-忘却の奇譚―ベルゼブブ編―

気になったところとかをまとめました
考察と呼んでいいかも分からないなにか 

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疑う理由もなく確定してそうなのは

・ベルフィゴールは神に汚された。
・ベルフィゴールは神を恨んでいない。
・ベルフィゴールとベルゼブブという二つの人格が一つの体に宿っている。
・ベルゼブブはベルフィゴールのことを肉体が存在する双子の妹だと思っている。
・ガブリエルはベルフィゴールとベルゼブブの両方を知っている。

疑問は

Q1.ベルフィゴールが神に汚されたショックで生み出した人格がベルゼブブなのか? それともベルフィゴールとベルゼブブは元々二人の人格だったのか? 
A1.現時点では両方の可能性がある。詳細は後述。

Q2.ガブリエルは何故ベルフィゴールが消えたと知っている?
A2.謎。ベルゼブブのこと確信をもって呼んでるみたいだし、肉体は同じでも二人の魂が違うから分かるとか? それならベルフィゴールが消えたっていうのも分かりそう。

Q3.ガブリエルはベルフィゴールとベルゼブブを区別しているのか?
A3.「二人でなによりも神に重きを置いていたのに……!」という台詞からして、区別していない。

Q4.神が執着しているのはベルフィゴール? ベルゼブブ?
A4.ガブリエルが二人を区別していないから、神も同じでは。始めはベルフィゴールを求め、今はベルゼブブを求めている(ように見える)が、本質的には一人の女性を愛している。

Q5.ベルフィゴールが消えたのは本人の意思? ベルゼブブが言う通り神が消滅させた?
A5.神はベルゼブブ=ベルフィゴールだとすれば、愛するベルフィゴールを消す理由がない。ので、ベルフィゴールの意志だと思う。神が消したって言ってるのはベルゼブブのみで、ガブリエルは何も答えていないから。

Q6.他の女神はベルフィゴールとベルゼブブの二つの人格を知っているのか?
A6.サマエル「あなたは天界にいた頃は聖母のようだった。すべてを愛し、すべての罪を許し、すべての寵愛を与えられた。なのになぜ、他者に等しく向けた優しさを溢れんばかりの愛をあなたは忘れてしまったの……?」と言っている。(ベルゼブブ 3-5-5)この特徴は完全にベルフィゴールのもの。他の女神は知らなかった感じがする。

Q7.ベルフィゴールが天界を去り、ベルゼブブは彼女を探して地上に降りた。でも肉体は同じなのだから、ベルゼブブが目覚めた時そこは既に地上だったはず。どうしてベルフィゴールを探して降りたと思った?
A7.辻褄があうように記憶の改竄してるんじゃないかなあ。地上でも何度も入れ替わってて、ベルゼブブが最後にいた場所と目覚めた場所が違うのも頻繁にありそうだけど今のところ不安がってる様子はなさそうだし。

★ベルフィゴールが神に汚されたショックで生み出した人格がベルゼブブのケース

 ベルフィゴールは神を恨んでいるようには見えなかった。→ベルフィゴールは神に汚された記憶をベルゼブブに引き渡し、辛い感情を忘れた。

 解離性同一性障害(二重人格、多重人格)は一人の人間の中に複数の独立した人格が潜んでいる病気。
 耐えがたいほどの苦痛を受けた際、「これは自分が受けている痛みではない」と身の危険が存在しないかのように切り離すことで自己を守る防衛本能です。
 原因は主に幼少期に受けたいじめ、人間関係のストレス、虐待(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト)、事件事故(殺害現場を目撃する、目の前で人が死ぬなど)
 性的被害者や戦争経験者のように大人になって経験したり、慢性的ではない外傷により解離が起きることもあります。この場合、実は過去に虐待されていたなどの経験が判明することがよくあるそうです。
 被害に遭いやすいのが女性なためか発症するのは女性が多い。

基本人格:出生時に持っていた人格。
主人格:その体を支配する時間がもっとも長い人格。基本人格と同一とは限らない。
交代人格:生み出された人格。

エル「確かに気配は女神ベルゼブブですが……」
ベルゼブブ?「女神……遥か遠い昔、そう呼んでくださる民もいましたが……今は熾天使として神に仕えている身です」

 この時、「女神」という単語にのみ反応している。ベルゼブブを双子の姉だと認識しているのなら、ベルゼブブのように「私はベルゼブブではないですよ」「ベルゼブブは双子の姉です」って答えそう。
 「ベルゼブブ……?」って少し考え込んでいるし、人格を切り離した影響でベルゼブブの存在がぼんやりしているのでは。

ベルフィゴール「本当は……心の奥底に眠ってしまいたい……誰もいない場所で眠たい……そう思っているのです」
ベルフィゴール「私が消えるその日まで……また会うかもしれませんね」

 基本人格は大人しく、自己主張が苦手な者が多い。人格を切り離すほどの辛い経験をしているため、基本人格が消滅している場合もある。ベルフィゴールは消えてしまいたかった。

ベルフィゴール「伝えてくださいますか。ごめんなさい、と……」

 あなた(ベルゼブブ)にすべてを押し付けてしまってごめんなさい。

 ベルフィゴールは昔は女神と呼ばれていた、神にこっそり教えてもらったと話している。ベルフィゴールという人格は昔から存在していたのが伺える。話の流れからして、ベルフィゴールがベルゼブブを生み出した説が強い。
 交代人格は基本人格を守るために何らかの役割を持って生まれてくる。ベルフィゴールが抱えたままでは生きられなかった「憎悪」を持ったのがベルゼブブ。

しかしその場合、ガブリエルと最近生まれたばかりのベルゼブブが旧知の仲っぽいのは何故か?
 →ガブリエルはベルフィゴールとベルゼブブを区別していない。ベルフィゴールと親しくしていたので、ベルゼブブも同じようなもんと思っててもおかしくなさそう。どっちもガブリエルを慕ってたみたいだし。

 もう一つ引っかかるのは基本人格は自分が解離していることも交代人格についても知らない場合がほとんどなこと。でもベルフィゴールは知ってるっぽい。

 最初の感想では基本人格ベルゼブブ 交代人格ベルフィゴールも考えてましたが、解離性同一性障害だとするなら逆かなと。

★元々二つの人格が一人の体に宿っていたケース

ガブリエル「でも、べルフィゴールの記憶が混濁して自分が分からなくなっているのよ」

 この言い方は元々二人の人格が存在しているようにも聞こえる。

ベルフィゴール「理不尽な恐怖に嘆く人々を放っても置けず……ガブリエルならば、そんなことはないのでしょうね」

 他の天使は神がやったことは正しい、人間のことなんて興味がない。という態度を取ったのに、ベルフィゴールは「理不尽な恐怖」と言った。神を恨んではいないが、他の天使のように信じてもいないのでは。「神への憎悪」だけを切り分けた結果だとしたら納得がいく。

ベルフィゴール「伝えてくださいますか。ごめんなさい、と……」

 あなたを一人にしてしまう、ごめんなさい。

 しかしその場合、ベルフィゴールから見たベルゼブブはどういう認識なのか気になる。双子の姉とは一言も言ってないんだよな。

<結論>

 ベルフィゴールが神に汚されたショックで生み出した人格がベルゼブブの解離性同一性障害か元々二人の人格が一人の体に宿っていてベルフィゴールが消えたのかは6:4くらいかな、が今の感想です。
 解離性同一障害ぽい気がするんですよねえ。でもゴエクロという物語を考えた時、二人の天使がいたという方がそれっぽい気もする。2-1でのベルゼブブ紹介で「まだ何も知らぬ無垢な天使だった頃」って書いてあるのも気になるし。
 今後も考えていきたいです。本編もかなり読み逃してそうなので。

<気になるガブリエルの発言>

ガブリエル「それで……ベルフィゴールは最近どうしてるの?」
ベルゼブブ「妾にも……わからぬ」
ガブリエル「そう……そもそもベルフィゴールは地上にいるのかしら?」
ベルゼブブ「それは確かだ。痕跡が残っている。村人に施した治癒術や薬草茶も……最近は姿を現していないが……」
ガブリエル「可哀そうだけど、真実を教えてあげるわ」
ガブリエル「その痕跡は……ぜーんぶあなたがつけたものよ」
ベルゼブブ「……何を言っている?」
ガブリエル「薬草や天魔除け、治癒……それらの術はあなたがベルフィゴールを求めるあまり――無意識のうちに行ったものなの。ベルフィゴールはもう、消えてしまったのよ」
ベルゼブブ「なぜそのような嘘を――」
ガブリエル「最近は誰も姿を見ていないのでしょう? 神に誓ってもいいわ。嘘はついていない。理解しがたいでしょうけど」

 「そう……そもそもベルフィゴールは地上にいるのかしら?」を、「そもそもベルフィゴールは始めから地上にいないのにあなたはいると思っているの?」 という質問だと取ってしまいすんごい混乱した。「全部」を地上での出来事全部だと思ってしまったせいもある。
 なら主人公たちが地上で出会って目の前で術を使ったベルフィゴールはなんだったの? 彼女の意思で行ったことだよね……?? って考え込みまくった。(※追記)が、
 「そもそもベルフィゴールは(まだ)地上にいるのかしら?」だったりしない?? 直前で最近の話だと切り出してるし。

 つまり
「ベルフィゴールはまだ地上にいるの?」
「それは確かだ。痕跡が残っている。最近は姿を見せないが……」
「姿を見せないならベルフィゴールはもう消えているわよ。消えてからの最近の痕跡はあなたがベルフィゴールを求めて自分でつけたものなの。薬草や天魔除け、治癒も全部ね」
 では???

(※追記)
 これ書き終わった後に人に読んでもらって気付いたんですけど、ガブリエルは区別してないのに地上で出会ったベルフィゴールを私は区別しちゃってたんですよね。ベルフィゴール単独で考えて、地上にいるベルフィゴールの意志でやったこと、それなのに「神に誓って嘘は言っていない」ガブリエルの言葉を信じるならベルフィゴールは地上にいなかったことになる。どうして? って混乱した。
 でもガブリエルは区別せずに喋っているから「その痕跡はあなたが全部つけたものよ」で何もおかしくない。だってベルフィゴールがやったこともガブリエルからしたらベルゼブブがやってることだし。むっずかし。
 

ガブリエル「ベルゼブブはベルフィゴールをどのように認識しているの?」

 ベルゼブブは「妹を見つけるまでは帰れぬのだ」とガブリエルに言っているから、ベルフィゴールを双子の妹だと思っていることは知っている。でも別の肉体を持った天使だと思ってることには気付いておらず、どうにも話が噛み合わないのでそのことを聞きたがっている?

ガブリエル「ベルゼブブは天界に戻りたいはずなの。でも、べルフィゴールの記憶が混濁して自分が分からなくなっているのよ」

 ベルフィゴールは神が原因で天界に戻りたがらないことを分かっているか、分かっていなくても原因は天界にあると思っている。
 ベルゼブブはベルフィゴールを探して地上に降りたのが原因で神を拒むようになったと思っている。だから地上と人間を消したい。
 性格が違うってことは受け入れてそうだから、この台詞も区別してるってほどでもないのかな。
 普通に考えてベルゼブブが神を許すはずはないんだけどね。そのへんは天使全員思い込みが激しいから……。

<ガブリエルが知っていること>
・同じ肉体にベルフィゴールとベルゼブブという人格が宿っている。
・ベルゼブブはベルフィゴールが双子の妹だと思っている。
・ベルフィゴールは消えた。

<ガブリエルが知らないこと>
・ベルゼブブはベルフィゴールが肉体を持っていると思っている。

<ガブリエルの思い込み>
・人間を消しさえすれば神から寵愛を受けていた頃に戻ると思っている。(そんなわけはない)

<人格は関係なしの伏線>

ベルゼブブ「ところで貴様、どこかで妾と会ったことがあるか?」
ベルゼブブ「似た気配を持つ者がいたような気がするが……」

 4女神全員がしているやり取り。「主人公と似た気配を持つ誰か」はほぼ間違いなくソロモンだと思われる。

ベルゼブブ「……前にもお前とこんな会話をしたか?」
ベルゼブブ「そうか……以前にも誰かとこうして、他愛もない話をしたような気がしてな」

 これ誰だろ? ベルフィゴールと主人公のやり取りを薄っすら覚えているのかと最初は思った。でも別ルートでの未来の主人公と会話した記憶が重なっているのかも。ソロモンも考えたけど、現時点でのベルゼブブはソロモンと親しい会話はしてなさそう。

ながい。
なんとか整理できたのは、友人とあーでもないこーでもないと話し合ったのが大きいです。ありがとう。
ガブリエルがベルフィゴールが消えたと気づいたのは何故? は友人が途中で気付いた疑問でした。あれっ何でだろう!!!? って言われて初めて考えてびっくりした。なんか全部知ってますよって態度だったからそういうものだと流してしまってました。肉体は残ってるんだし人格が消えたって分かるなら相応の理由があるはずですよね。神パワーで何でもアリの可能性もありますが。

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