邪神チェルノボーグと邪神ア・レミア

ゴエクロの更新分を読んでいるときにゴエティアを思い出していたんですが、記憶が定かではなかったので後で確認しようと感想では触れていませんでした。確認しました。
ゴエクロの邪神チェルノボーグってゴエティアの第五塔界を死に導いた邪神ア・レミアと同じ存在ではないですか……?

ゴエティアクロス
創世神に対抗し得る力を持つ別の神を降ろそうとした邪教団は闇の遺跡で神降ろしの儀式を行いました。
召喚された邪神は、自らをチェルノボーグと名乗ります。

「私の名はチェルノボーグ。あるいはアンラ・マンユ、あるいはキノトグリス――」
「世界を超えて信仰を集める死や絶望の神の名だよ。私はそのどれでもあるが、同時にどれでもない」
(ゴエティアクロス 新章3部7章5節)

チェルノボーグはすべての世界に死と終わりを与えるために動き出したのだと言います。その思想に団員たちは呑み込まれ、狂気に陥った彼らは壁に文字を掘り始めます。ただ一人正気を取り戻した教団長は、邪神に敵意を向けながら自害します。残された団員たちも次々と死を選び、神降ろしの儀式を行った人間は全滅してしまいました。
このとき壁に刻まれた碑文を後にアオートとアドーナイオスが読んでしまい、意識を侵食された彼女たちはデミウルゴスを召喚するために儀式を行います。召喚されたヤルダバオトは、死に触れたことで変貌したデミウルゴスだと語りました。

ゴエティア-千の魔神と無限の塔-
ゴエティアの第五塔界は「肉体を捨て、霊体として存在し続ける幸福」を信仰していた世界です。

宮殿の奥に隠された神殿には、人々に忘れられた信仰が眠っていました。時が経ち、瓦礫の山と化したかつての神殿を見つけた人間が狂気に引き寄せられて封印を解いてしまいます。法王も狂気に蝕まれてしまい、法王の手によって「清く正しい信仰」として世界に広まりました。邪神を信仰する者、狂気に染まらず憎む者。すべての人間が死を迎えます。

邪神ア・レミアは、「人間が生み出した神」だと推測されていました。当時の人々が亡くなっているため真相は不明ですが、痩せ細った人の心が存在しない神を崇めた結果、その神を生み出してしまったのではないかと推測されています。

『終末』
死の姿、死の音、死の香り、死の味、死の感触――五感すべてで「死」という名の悍ましき終わりを伝えてくる存在。あらゆる生命が死から逃れらないのと同様、この存在からも逃れることはできないのだろうか?(ゴエティアクロス 終末 図鑑)

終末こそが幸福であると信じ込まされた世界には、狂気に染まれぬ者たちの慟哭が響き渡り――邪神を信仰する者、憎む者、何もかもが消え、世界には「神」だけが残った。(ゴエティア-千の魔神と無限の塔- 第五塔界 ベテルギウス廃殿 統治者)

終末に歓迎されているような気分になり、一度は支配されかけたものの正気に返ったゴエクロでは、終末を「悍ましき」と認識しています。
ゴエティアでは「終末こそが幸福」と信じ込まされていました。ゴエティアの「カースヒッポ 目録」で「どうやら邪教の神には人間の思考を奪う力があったようだ」と記述されており、彼らは思考を奪われていたことが明らかになっています。

なんだかよく似た話、ですね~~~!!!?
「信仰を集める死や絶望の神の名だよ」と言われたときに、信仰……???? ア・レミアって信仰によって生まれた神じゃなかったっけ……? と頭に浮かんでいたんですよね。
当時からあった設定なのかゴエクロでつけた設定なのかは私には判断がつかないんですが、本当にいつからこの展開にすると決まっていたんでしょうか。
ゴエティアのストーリー、目録、ゴエクロの外伝、イベントストーリーなどいたるところに散らばっている設定を丁寧に拾って一つの物語に組み込んでいるのほんっっっとうにすごい。
地獄謁見でア・レミアを持ってきたのも伏線だったんですか……!?





ゴエティアクロス-命害大戦-――閉幕――

ゴエティアクロス

 魔導師たちの攻撃を受けて、ワールドの巨大な身体が崩壊していく。

ワールド『エラー発生。エラー発生。……損傷率、95%。修復機能、大破しています』
ワールド『再度の広範囲時間停止は発動できません。事象改変による全体機構の再生はできなくなっております』
ワールド『……皆様を幸福にする、業務の遂行は困難です。機能停止以外の選択肢は棄却されました』
ワールド『……私は何を、間違えたのでしょう』
ワールド『元の世界でも、ここでも……命害たちも同様……彼らは幸福を望んでいない……』
ワールド『検索結果、0件。予測演算結果、エラー。何故……なのでしょうか……』

 ワールドの巨大なパーツが本体から剥がれ落ち、地上に落ちる前に燃え尽きて消えていく。
 その下で、壊れていくワールドを見上げ、ラジエルは嗤っていた。


ラジエル「安心しろよ。お前のデータは、私が有効に役立ててやるからよ」

 ラジエルは降り注ぐ機械の欠片を掴み取ると、それを小さな羽に変えた。


???「――何もない」
???「レメゲトンは、私は縁を手操れない」
???「ゲーティアは、ただの防衛装置となり果てた」
???「テウルギアもまた、新たな世界に糸を伸ばすことはない」
???「ここまでなのか、私の復讐は。もはや熱量は枯れ果てていく。……動くことができない」

 ここではないどこか。
 漆黒に包まれた世界に、男の声が響いていた。

 そんな何もない世界の中に、一枚の羽が舞い降りる。――鉄が軋む音が継続的に鳴った。

???「これは、なんだ……? ゲーティアの防衛を潜り抜け、塔界から何かが来たとでも……?」
???「これは……設計図? ワールド……異界を観測し、侵略し、時間を支配し、熱量を抽出する機構だと……?」
???「……そうか。これを使えと言うのだな」
???「いいだろう。愚かな天使よ。そこまでして享楽を求めるというのならば――」
???「塔を建てよう。その熱量をもって……貴様に、貴様らに我が矢を届けてくれる……!」

 ――命害大戦 ワールド――
 ――閉幕――

ゴエティア-千の魔神と無限の塔-

ワールド戦を閉めたログインストーリーに、謎の人物が登場しています。
結論から言うと、前作ゴエティア-千の魔神と無限の塔-においてラスボスであったソロモンです。
天界大戦に敗北したソロモンは、神を倒す力を得るため地獄に堕ちました。
その地獄で足掻いていた頃、時系列的にはゴエティア-千の魔神と無限の塔-本編開始前になるはずです。

第十塔界 膨張し乱れる意思Ⅰ

テウルギア「ここからは、私が観測した結果から「推測」されるもの。おそらく、ソロモンの計算はこの時点で少し狂っていた。レメゲトンが、己の力だけでは塔界との縁を辿れないこと。他の世界から熱量を奪い取るという芸当は、ソロモンという「支配者」がいたからこそ成せたものであった。ゲーティアが、基底世界の防衛装置と成り果てたこと。稀に縁の糸を辿ってこの基底世界に侵入するモノを、消し去るだけの装置となっていた。そして、私が――テウルギアが、新たな塔界との縁を作り出さないこと。今まで奪い取った熱量は、全て私が作った「糸」を使っていた。ささやかなる、反抗。だがきっと、ソロモンは気付いていないだろう。私が、自らの意思で、「動くのをやめた」ということに」
テウルギア「すべてを諦め、自棄に陥る。私が観測してきた世界の中にも、そういう生き物がいた。見すぎてしまったせいで、毒されている。だけど、見てみたかった。全てを知っている私が、動きを止めればどうなるのか。私は己の意思で思考を止めた。ただ、時間の経過と共に枯れ果てていく基底世界と、熱量を奪われなくなったことで少しずつ蘇っていく世界を観測する」

第十塔界 膨張し乱れる意思Ⅱ

テウルギア「私が黙してから、永い時が流れた。ソロモンは、レメゲトンになった。レメゲトンは、ソロモンとなった。ゲーティアに、動く気配はない。元よりあれに意思などなかったので、世界の根幹に座しているのだろう。今この状況に「何か」を感じているのは、私と、ソロモン」
テウルギア「どれくらいの時間が流れたのかは分からない。基底世界が完全に力を失い、再び「無の暗闇」に戻ろうとしていたとき――ソロモンは、ついに動いた。いいや、それがソロモンであったのか、消滅を危惧したレメゲトンであったのかは分からない。その二つは、永い時の中で一つとなっていた。故に、二つに境目などない。ソロモンは、レメゲトンとなったのだから。だからこそ、なのだろう。基底世界が無の暗闇に戻れば、世界と融合したソロモンの魂も消えてしまう」
テウルギア「そして確かに、変化が起きた。この世界に、12の塔が出現したのだ」
テウルギア「私が観測してきた世界に在った生命。その中でも、特に強い力を持ち、強い執念を持ち、選ばれた魂を持つ――「支配者」の素質を有した者たちを基底世界に引き込み、レメゲトンは再び塔界への侵攻を果たす」
テウルギア「基底世界は、息を吹き返した。動き出した世界を、観測しなければらならない。あの男が、自らの目的のために、どれだけ愚かなことをしようとしているのか。私は、観測しなければならない。誰の手も届かない、この俯瞰の高みから」

???「塔を建てよう。その熱量をもって……貴様に、貴様らに我が矢を届けてくれる……!」
テウルギア「そして確かに、変化が起きた。この世界に、12の塔が出現したのだ」
熱量が不足して滅びかけていた基底世界にもたらされたのが、ラジエルが届けたワールドの設計図ということですね。

ゴエティアクロス-矛盾/気になる箇所

矛盾/気になる箇所

アドニアの出自

(OP)アドニア「ここに集まっている魔導師は俺も含めてかの大戦で戦った戦士の末裔だ」

(4部サタナエル編7章3節)ケネス「親の顔さえ知らない孤児の兄上」

主人公の出自

(OP)アドニア「中でもお前は反乱軍の総指揮官、英傑ソロモンの血を引く者だ。この場の誰よりも才に恵まれている」
(3部サタナエル編8章6節)アスタロト「サタナエルにお前の血のことを言うつもりはない」アスタロトはあなたの血のことに気づいている。
(サブストーリーアスタロト編3章1節)アスタロト「地上軍の総指揮官ソロモン王の末裔よ」

(4部サタナエル編7章6節)自分がソロモンの末裔……? 特別な力がある……? 身に覚えのない言葉ばかりだ。あなたは必死に自分にはそんな力はないとケネスに訴える。
(4部ベルゼブブ編4章5節)アドニア「幼かったお前が契約の儀を執り行う前に俺は一度伝えたのだがな……やはり、以前の記憶は戻っていなかったか」
(4部サマエル編4章6節)アドニア「お前はソロモンの末裔だ」いきなりの言葉にあなたは意味がわからなかった。
(4部アザゼル編5章1節)アドニア「混乱したのかもしれないな。お前が幼い頃、契約の儀を執り行う前に一度伝えたのだが……」

堕天した熾天使は9人

(4部サタナエル編3章6節)サタナエル「私を含めて堕天した熾天使は9人」

(4部サタナエル編6章1節)「フルフル、バエル、アスタロト、ベリアル、グレモリ、サマエル、そして最後の熾天使だったバラム」
熾天使は女神四人(サタナエル、ベルゼブブ、サマエル、アザゼル)+本家魔王六人(アスタロト、バエル、フルフル、グレモリ、バラム、ベリアル)の十人のはず。誰を除いた?

修正済み

貴族

(2部サマエル編3章2節)暁の協会は周辺の村や貴族からの寄付金で成り立っている組織だった。

(外伝光の異界2章6節)貴族に聞き覚えがない。→あなたたちの世界にも、富を持ち、豊かな生活を送っている人間が存在する。

ゴエティアクロス-各キャラクター/魔導師/暁の協会設定

各キャラクター

主人公

 ポラリス隊副隊長。中級魔導師。魔導師長アドニアの弟子。
 反乱軍の総指揮官、ソロモン王の血を引く。
 瀕死の状態で運び込まれ、長らく眠り続けていたせいか記憶が曖昧になっている。(1部1章1節)
 左手の人差し指にはめた指輪は父の形見。気持ちが落ち着かないときは指輪を触ることが癖。(1部1章1節)
 母親は顔も見たことがなく、抱かれた記憶もない。(イベント追想なる試練の中に)
 暁の協会が運営する孤児院の出身。(4部サタナエル編7章3節)
 体質的に人以外のもの――エルや精霊などと同調することに長けている。(2部サタナエル編6章5節)
 中級魔導師の中で唯一魔導書を実体化した。(2部サタナエル編6章5節)
 最年少で魔導師になった記録を持つ。(3部サタナエル編2章6節)
 2級、1級の最年少記録も塗り替えた。(イベント追想なる試練の中に)
 最年少の中級魔導師。(3部アザゼル編2章6節)
 10年ほど前、2級魔導師だった。(イベント追想なる試練の中に)
 自分の隊を率いていたこともある。(2部サマエル編4章3節)
 魔神に頼り切った戦い方は昔のアドニアにそっくり。(3部ベルゼブブ編5章5節)

クロウ

 ポラリス隊隊長。中級魔導師。魔導師長アドニアの弟子。
 主人公の幼馴染。
 暁の協会が運営する孤児院の出身。(4部サタナエル編7章3節)
 リガルとそう年は変わらない。(1部4章1節)
 最年少の中級魔導師。(3部アザゼル編2章6節)
 10年ほど前、3級魔導師だった。(イベント追想なる試練の中に)
 主人公との模擬戦の結果は10年ほど前で350勝454敗(イベント追想なる試練の中に)ポラリス隊結成時は10戦3勝くらい。(イベント追懐に眠る試練の鍵)
 女神に対して最大の敬意を払う。(1部6章1節)
 冷静沈着で、どんな場面でも最良の決断を下すことができる人物。多数を守るために少数を切り捨てる判断ですら下せる。
 しかし内面は非常に神経質で繊細、それゆえに危うさがある。
 自分が受ける精神的なダメージを減らすため誰とも親しくしようとはせず、隊員たちの名前は覚えていても性格や髪の色、好きなものなどの情報は持たない。(2部サマエル編4章3節)
 魔神に頼り切った戦い方は昔のアドニアにそっくり。(3部ベルゼブブ編5章5節)

リガル

 第2支部のアルタイル隊→ポラリス隊。3級魔導師。
 今年16歳。(3部サマエル編7章5節)
 魔導師としては珍しく、弓を使う。態度や雰囲気も含めて魔導師らしくない。
 回復魔法を使える魔神を所持していない。
 戦いの際には誰よりも堅実で安全な陣を張る。(2部ベルゼブブ編3章1節)
 「魔導師をやめた家」で配給を貰ったことは一度もなく、自給自足で生きていたためか生活力がある。(2部ベルゼブブ編5章2節)
 それもあってか女神への信仰心が薄く、不躾な態度を取ることが多いため度々クロウに窘められている。

エル

 主人公の先祖代々が使ってきた「ラジエルの書」が実体化した姿。
 500年以上前に作られた魔導書で、天と袂を分かつ前に人間に与えられた。(3部サタナエル編3章5節)
 代替わりを重ねているため当時の固有の記憶は所持していない。(3部サタナエル編3章5節)
 「この世界」のみに留まらず別の世界の知識もある様子。(1部5章3節)
 人間より敏感に、そして正確に気配を感知することができる。(2部アザゼル編4章3節)
 人間の聴力の数倍はある。(2部サタナエル編3章2節)

アドニア

 魔導師長。特級魔導師。主人公、クロウの師匠。
 マクレガー、フランツの同期。(3部ベルゼブブ編3章3節)
 部下を褒める人間ではなかった。(3部ベルゼブブ編5章5節)
 親の顔も知らない孤児。同じ孤児院出身であるケネスの血の繋がらない兄。
 魔導師としての資質を見出され、協会の保護下におかれた。(4部サタナエル編7章3節)
 神魔撃滅陣を使用している。(4部サタナエル編編8章6節)

チック

 第1支部長。准特級魔導師。
 素顔を決してさらさない不気味な男。本部にも顔を出したことがない。
 魔神を共に戦う仲間とは考えていない。(4部ベルゼブブ編8章1節)
 相当な強者だが、フランツ達とは一線を引いている。(4部アザゼル編8章6節)

マクレガー

 第2支部長。准特級魔導師。
 アドニア、フランツの同期。(3部ベルゼブブ編3章3節)
 大剣を使う魔導師。
 脳みそまで筋肉で作られているような男。(3部ベルゼブブ編2章3節)
 天界大戦より以前から存在する年代ものの魔導書を使用している。(3部ベルゼブブ編2章6節)

フランツ

 第3支部長。准特級魔導師。
 マクレガー、アドニアの同期。(3部ベルゼブブ編3章3節)
 魔法をかけて周りには子供に見えるようにしている。外見年齢はリガルよりも幼い。
「陣風」のフランツ。特攻隊長。誰よりも先に戦場の最前線に立ち誰よりも先に敵を殲滅する。(3部アザゼル編2章3節)

ダイアン

 第4支部長。准特級魔導師。
 蛇を飼いならしており、斥候にしている。
 最初に配属されたのは第3支部。弟と共に配属された。弟が亡くなったことが原因で当時隊長だったフランツを憎んでいる。(4部サマエル編2章3節)

ケネス

  第5支部長。准特級魔導師。
  天魔の研究者。
  簡易的な幻影探知機になっているモノクルを左目にしている。(3部サタナエル編4章1節)
  同じ孤児院出身であるアドニアの血の繋がらない弟。(4部サタナエル編7章3節)
  他の支部長とは違い病弱な顔をしているからかよく一般魔導師に間違われる。(3部サタナエル編1章6節)
  リカバー(3部サタナエル編1章3節)、ヴォルテックス(4部サタナエル編1章6節)を使用している。

魔導師

 世界を救う使命を課せられた勇者などではなく、れっきとした職業。任務に対して給金が出る。(2部サマエル編3章2節)
 魔導書と契約する際に対価を決める。
 魔導書と契約した者はその時に約束した対価を支払い続けなければならない。一度契約すると一生対価からは逃げられない。(2部アザゼル編2章4節)
 階級が彫られた腕章をしている。外套を着ているのは中級魔導師から。

暁の協会

 ソロモンが設立した組織。(4部サタナエル編7章6節)
 数千人を超える大きな組織。(3部サマエル編2章5節)
 周辺の村や貴族からの寄付金で成り立っている。(2部サマエル編3章2節)
 本部以外にも各地に5つの支部を持っている。明確に分かれているわけではないがおおよその管轄が存在。(2部サマエル編2章1節)
 5つの支部それぞれに神殺しをするための兵器『五芒聖』がある。
 支部の魔導師の数は本部の1/5。支部長が独自の方法で支部を守る策を講じている。(2部サマエル編4章1節)
 全魔導師の1/2という勢力を所有していた本部は防衛策を講じる必要がなかった。(2部サマエル編4章2節)

 階級は←特級、准特級、上級、中級、??、1級、2級、3級
 通常、配属されたばかりの3級魔導師は数か月の訓練を経てその後、正式に部隊に入隊する。(2部サマエル編5章1節)
 本部は中級魔導師から部隊を持つ。支部は人数が少ないため1級魔導師でも部隊を任される。(2部サタナエル編1章1節)
 中級魔導師ともなれば3級魔導師の数倍は給金をもらっている。
 中級魔導師は3級の20の1ほどの人数しかいない。中級以上になると定員が設けられており、欠員が出ない限りは昇進する事も出来ない。
 実際は中級も入れ替わりが激しく、数ヶ月から数年で殉職するものがほとんどで欠員待ちになることは少ない。(2部サマエル編3章2節)
 准特級魔導師は現在8名。内5名が支部長の任についている。(3部ベルゼブブ編2章3節)

 連絡手段は鳩を飛ばしている。(3部サマエル編2章3節)

 本部 魔導師長アドニア。ポラリス隊、シリウス隊が所属。古城をそのまま利用しており、レンガ造りの強固な要塞。(1部6章1節)
 第1支部 チック。
 第2支部 マクレガー。タラゼド隊、アルタイル隊が所属。本部にも負けない規模の建物。(4部ベルブブ編1章5節)
 第3支部 フランツ。イゼル隊が所属。本部にも負けない規模の建物。(4部アザゼル編1章1節)構造が本部に似ている。(4部アザゼル編1章3節)
 第4支部 ダイアン。スラファト隊が所属。
 第5支部 ケネス。グリーゼ隊が所属。暁の協会唯一の研究所があり、主に天魔の研究を行っている。(3部サタナエル編2章1節)

ゴエティアクロスのソロモンとゴエティアのソロモン

ゴエティアクロス

ソロモン 堕天使と結託し神に戦いを挑んだ、地上の王。暁の協会の設立者。10人以上の兄弟と数人の子どもがいる。忘却の奇譚―サマエル編―にて登場。サマエルとは相思相愛の仲だった。

主人公の先祖

アドニア「中でもお前は反乱軍の総指揮官、英傑ソロモンの血を引く者だ。この場の誰よりも才に恵まれている」
(op)

ケネス「主人公君、あなたはソロモン王の末裔なのです」
(4部サタナエル編7章6節)

アドニア「心して聞け。おまえはソロモンの末裔であり、おまえの持つラジエルの書は特別なものだ」
(4部ベルゼブブ編4章5節)

アドニア「主人公……おまえは――ソロモンの末裔だ」
(4部サマエル編4章6節)

アドニア「主人公、お前は――ソロモン王の末裔なのだ」
(4部アザゼル4章6節)

10人以上の兄弟と数人の子どもがいた

妾は一目見てわかった。
あやつからお前の匂いがしたのだ。
妾が間違えるものか。すぐにわかった。
妾は今日、お前の血縁に会ったぞ。ソロモン王。
(サブストーリーアスタロト編4章1節)

お前は確か、10人以上の兄弟と数人の子どもがいたな。
その中で天界大戦を生き残った者がいたのだろう。
だからこうして妾はあやつと出会えたわけだ。
そうだ。
あやつに聞くのを忘れてしまった。
大戦で、『お前』がどうなったのかを。
(サブストーリーアスタロト編5章1節)

初めて神より魔導書を授かった人間

アスタロト「500年前反乱軍を引いていた人間の王。あれはかつて初めて神より魔導書を授かった人間だ」
(3部サタナエル編8章6節)

暁の協会の設立者

ソロモン――かつての天界大戦の総指揮官であり、暁の協会の設立者。
(4部サタナエル編7章6節)

クロウ「魔術王ソロモンは500年前の天界大戦時に人間側の指揮官を務めていた人物です。暁の協会発足に関わったとも言われる大魔術師ですね」
(4部サマエル編7章3節)

彼の言葉に心動かされ幾人もの天使たちが堕天した

王の存在だ。
あやつの言葉に心動かされあやつの思想にかぶれた幾人もの天使たちが堕天した。
かく言うワシもその一人。
じゃが王に力を貸したいと思ったわけではない。
あくまで仲間のためだ、それ以上でもそれ以下でもない。
(サブストーリーバエル編6章1節)

ゴエティアクロス 忘却の奇譚―サマエル編―

穏やかで美しく、皆を虜にする不思議な魅力のある人物

あなたが幼い頃、始めてソロモン王の伝説を知った時から、その姿は猛々しい武人を思い描いていた。しかし目の前にいるソロモン王は穏やかで美しく、皆を虜にする不思議な魅力のある人物である。
(サマエル外伝2章5節)

武力による争いではなく対話による解決を望んでいた

ソロモン「知っての通り、軽度の罪でも天魔が人間を襲い、地上は荒れ果てつつある。だから私は、止めたかったんだ」

そう仕向けた神に、ソロモンは初めから武力による争いをする気はなく、あくまで対話による解決をしようとしていた。
(サマエル外伝2章3節)

ソロモン「サマエル……だめ…だよ…」
ソロモン「私たちは……戦による解決は……望んでいないはずだ……」
(サマエル外伝2章6節)

魔導師としての力が強く、王になった

ソロモン「天界と地上が平和な関係を築けた時……私は王の立場を誰かに譲り、退くつもりなんだ」
エル「あなたは……王ではなくなるのですか?」
ソロモン「うん。私は魔導師としての力が皆よりほんの少し強くて王になっただけだから……私よりも王にふさわしい者がいるはずなんだ」
(サマエル外伝2章6節)

堕天したサマエルの意を汲み、共に戦うことを決めた

ソロモン「私も共に戦おう。この身が地獄の底へ沈むことになっても……私の愛するこの世界を救うために」
(サマエル外伝2章6節)

ゴエティア-千の魔神と無限の塔-

ソロモン 神に滅ぼされた己の世界を救うために自ら地獄へ堕ち、世界を作り替えた。目的のためには手段を選ばず、他世界から熱量を奪って糧にしている。今作のラスボス。

地獄の始まり

 この世界は、「無」であった。
 無の世界に、「男」が堕ちた。
 男は神々より大いなる知恵と指輪を授かった「王」であった。
 王は、その知恵によって禁忌である「魔神」を使役した。
 神に与えられし「指輪」で己の身を護りながら。
 知恵と力により国を導いた男は、真の繁栄を見届けることなく散る。
 そして、死後――男は、この世界へと堕ちた。
……
 無の世界は、「地獄」であった。
 力と知恵、指輪と――そして、魔導書さえあれば、無の世界に「有」を生み出すことなど容易かった。
 力を得た、「無」――「地獄」であり、「基底世界」
 男はこの「地獄」……すなわち「基底世界」に「レメゲトン」――地獄の核である「地獄の支配者」に、「ゲーティア」という名を与えた。
 男が持つ、数々の魔導書からとった名だ。
 そして、基底世界は――男より、「意思」を授かる。
(エニグマ 一の石板 天恵)

 私が、名もなきただの観測者だった頃。この世界も、基底世界などとは呼ばれていなかった。
 名はおろか、言葉もない。世界の裏側にあるのは、死を収める闇だけ。
 そんな地獄に変化が起きたのは、あの人間の来訪がきっかけだ。
 大いなる力を持ち、神に反乱した英傑。地上の光、稀代の魔導師とも呼ばれた、一人の人間。私が観測を始めてから現在までの間、彼を超える者は誰一人として現れなかった、特別な存在。
 ある日、前触れもなく「地獄」へやって来た、彼。
 ――その者の名を、ソロモンという。
(第十塔界 名もなき世界の記録Ⅱ)

ソロモンが地獄に堕ちた理由

テウルギア「――私は、知っている。ソロモンが、何のために地獄へ堕ちたのか。何のために、基底世界に力を蓄えようとしているのか。何のために、基底世界と融合を果たしたのかを」
テウルギア「――かの男の目的は、ただ一つ。滅びの結末が定められた自らの世界を救うため。死すらも欺き、自ら地獄の扉を開いた。全ては、己の世界の救済のために仕組まれたこと。私はそれを知りながらも、観測者の役目に徹した」
(第十塔界 膨張し乱れる意思Ⅰ)

ソロモンの想い

「私は、全てを理不尽に奪われた。築き上げた国を、兵たちを――愚かな神々の、気まぐれの企みで。だが、非情なことに……世界の正義として祀られるのは、勝者だ。戦いに敗れてなお抗う勇気ある者たちは、みな「反逆者」と定義される。反逆者の烙印を押されても――私は抗い続けた。抗い、正義の神に刃を向け、そして――。――ここ、地獄へ至る道を拓いた」
「……私がどれだけ優れた力を持っていたとしても。たった一人の人間の力では、神へ対抗することなど不可能だ。故に、私はここで神に対抗し得る力を蓄えると決めた。必ずや己の世界を救うと覚悟を決め、地獄へ堕ちたのだ」
(基底心核 意識崩壊)

決して豊かとは言えぬ土地だった。

ひとたび塔界へ根を伸ばせば、私の世界より遥かに優れた場所など、いとも簡単に見つかった。

目を奪われるような美しい景色、豊富な資源、溢れんばかりの熱量。
神に全てを奪われることなく、平和を謳歌する世界。

その全てが妬ましく、憎らしい。
なぜ私だけが戦わねばならない?
なぜ私たちは戦わなければ明日を臨むこともできない?

何もかもが、不平等で不条理だ。

私を慕う全ての者たちに、誓った。
私を地の底へ送るため犠牲となった、赤き血に誓った。

世界に、平穏をもたらすことを。
神々を討つ力を得て、雪辱を晴らすことを。
奪われたものを取り戻すことを。

私は地獄を支配した。
基底世界を掌握し、神を討つ足掛かりを得た。

だが、これではまだ足りない。
全ての世界から熱を集めなければ、神の首を取るには至らない。

私の敵は、それだけ強大なのだ。
私の使命は、それだけ大きく重いのだ。

必ず、誓いを果たさなければならない。
私自身が鬼になろうとも。
私自身が神に等しきものとなり、神を討たなければならない。
(目録 レメゲトン・ソロモニア)

周囲の反応

アスタロト「ソロモンの……目的。滅びゆく自らの世界を、救うため……?」
メタティアクス「そのために、他の世界全てを犠牲にして? くだらない……くだらないわ。わたしはそんなもののために力を貸したんじゃない!」
メタティアクス「フン……今更吠えたところでどうにもならないけれど。随分と自分勝手なのね、英傑様っていうのは」
(第十塔界 膨張し乱れる意思Ⅰ)

メタティアクス「……なにが観測者よ。こんなの、もうとっくに観測の域を出ているわ」
アスタロト「誰よりも人を、世界を見ていた。奴は、言葉を獲得するずっと前から観測者とは名ばかりの何かになっていたのかもしれん」
メタティアクス「それでも不干渉の観測者でい続けようとして、基底世界で起こっていることを全てを黙殺してきた……。……馬鹿みたい。こんな記録、今すぐにでもソロモンを追い出したいって言っているようなものだわ」
(第十塔界 膨張し乱れる意思Ⅱ)

誰かの声「地獄を丸ごと乗っ取れるほどの力――永い月日の中でも、ソロモンが本来持っていた力は全く失われなかったようね。ホント、嫌になっちゃうくらい反則じゃない。でも、彼がここへやって来たのは、本来の自分の世界を救うためだった。これだけの力を持っていながら倒せなかった相手かぁ。なんだか末恐ろしくなっちゃうわ」
クラウラ「私には神を信仰するような意思はないけど、圧倒的な力を前にひれ伏すしかない人間の気持ちが少しだけ分かった気がするの。……でも、ひれ伏さずに戦った人間もいた。ソロモンと、そして――「あなた」という存在を巡る螺旋回廊の始点。この世界の王になり、ソロモンに絶大な力を与えるはずだった人間。彼らの願いを無碍にするつもりはないわ。テウルギアが観測してきた世界の中で、どれだけの苦悩の果てにこの道を選んだのかも知ってる。他の世界から力を奪うような卑劣な鬼になろうとも、自分たちの世界を救いたいという願いは、覚悟を決めなければ抱けないわ」
(基底心核 彼女の声)

ティア「さあ、「ソロモン」。永い永い君の戦いに、決着を付けよう。君の悲願と、僕たちの望み――どちらが勝つのかを。きっと、何も間違っていないんだ。君たち人間も、僕たちも、魔神も――なにかの犠牲の上に成り立っている」
アスタロト「この戦いに勝利した方が、「正しい歴史」となるか……。ククク、それはそれで面白いではないか」
メタティアクス「「取るに足らない者たち」がどれだけしぶといのか、思い知らせてあげるわよ……「稀代の魔導師、ソロモン王」!」
(基底心核 レメゲトン・ソロモニア)

決戦後

「………………消えていく。私の世界の、弱き民が。神に抗う術を持たぬ、非力な者たちが。消えていく……緑の大地が。燃やされ、砕かれ、死んでいく。消えていくのだ、お前たちの行いによって。世界は救われることなく、蹂躙され死に絶える。お前たちが、私の世界を――」
メタティアクス「――殺したも同然だ、なんて言うつもり?」
アウトテート「それは違うだろ……お前だって分かってるはずだぜ、ソロモン」
ハルパクス「あなたは……心の何処かで待っていたのではありませんか。誰かが、あなたの「戦い」を止めに入ることを」
メタティアクス「だからこそ、主人公がここまで進んでくるのを止めなかった。……違うかしら?」

ソロモンは、メタティアクスの問いに沈黙で答える。
鋼鉄の体の表情こそ分からないものの、あなたには彼がどんな顔をしているのか分かるような気がした。

アスタロト「お前の世界に生き、明日を望んだ者たちにとっては世界を救わんとするお前はまさしく救世主そのものであっただろう」
バエル「じゃが、オヌシは敗れた。一度は神々に敗れ、そして此度は――数多の枝から熱を吸い続ける基底世界を切り離し、全ての世界を在るべき形に戻さんとする主人公に、オヌシは敗北したのじゃ」
ベリアル「まだ戦うっていうならあたしは相手してやるぜ。……もうそんな力なんて、どこにも残ってないだろうけどな」

「……」

ソロモンは、やはり答えない。
いつの間にか独白の声ですら掻き消え、目の前の鋼鉄は物言わぬ器となっていた。

レン「ど、どうなったのですか……?」
テウルギア「……ソロモンの魂――いや、「執念」というべきか。それが、霧散して消えていった。散り際すら見せないとは、王の矜持といったところか……」
(基底心核 悲願と執念)

枝と辿るかもしれなかった世界の話

ゴエクロ世界はループしているでは少し話が逸れるため触れませんでしたが、枝/辿るかもしれなかった世界の話は前作ゴエティア-千の魔神と無限の塔-でも出てきています。

ゴエティア-千の魔神と無限の塔-

レン「主人公様が召喚されたこの世界は 既に滅びを迎えようとしています。中央に1本の塔がある世界。それが元ある姿でした。塔には世界を統べる王が君臨し、王の力により世界に命の流れが生まれていたのです」
レン「ですが、王は姿を消しました。そして王が姿を消すと同時に、この世界は滅びに向かって歩み始めたのです。王が姿を消すだけで滅びに向かう理由は簡単です。この世界の熱量は、塔が他の世界にまで枝を伸ばし、少しずつ分けて貰う形で得られていました。葉より熱を得て根に返す。いわゆる樹木とは全く別の形ではありますが、そうして世界を維持していたのです。塔が導く階層世界「塔界」主人公様の世界もその一つかもしれません。塔界からの供給が断たれているのが現状です」
レン「話が長くなってしまいました。主人公様は世界を救うため、「新たな王」となって頂くために召喚されました。王の候補者にも塔を産み、枝を伸ばす力はあります。塔は持ち主の力に応じてその枝を広げ、新たな塔界へと導かれるでしょう」
(基底部 目覚めた先に)

ナータン「塔が貫くのは、いくつもの世界。辿るかも知れなかった可能性を内包した世界だ。この概念はあいつから聞いたものだけどな。まるで物語のようだ、と笑っていたよ。元の世界では溢れている空想だと。俺もそのときは笑った。だが、今なら理解できる。
 『いくつものお前やネイサンが存在する』この世界を見てな」
(第四塔界 ナータンの言葉 Ⅲ)

ナータン「ああ、変わったのは「第五塔界以降」だけだ。「第四塔界まで」と「第五塔界以降」は、違う塔だったんだろう。「第四塔界まで」は、あいつと、あいつの可能性である主人公が繰り返し続けた世界。ルールが壊れた「第五塔界以降」は可能性の繰り返しがない。必要ないからな。だから、繰り返さなかった場合の世界だ。「繰り返した場合の世界」と「繰り返さなかった場合の世界」がある。それぞれが真っ二つになってくっついたってことだ」
アスタロト「……お前が夢想家だとは思わなかったぞ、ナータン」
ナータン「昔あいつが言っていたことを思い出してね。少し考えてみたんだ」
(第五塔界 未知の世界)

ゴエティアクロス

クロウ「我々には空間の歪みが見えません。グレモリ様にはどのように見えているのですか」
グレモリ「うーん、そうねー。難しい質問だけど、あえて例えるなら木の枝かしら」
クロウ「枝……ですか?」
グレモリ「ええ。今私は、ベルちゃんと話した空間の狭間まで伸びている枝を辿っているの」
リガル「なんだよ、その言い方だと枝っていうのは何本もあるみたいじゃねーか」
グレモリ「その通りよ。空間から空間に繋ぐ木の枝は複雑に重なりながら伸びているの。今私たちのいる世界が木の幹だとすれば、ベルちゃんがいる場所はその幹から伸びた枝のひとつでしかない。木はたくさん枝を伸ばすでしょう? だからここから沢山の枝が伸びている」
グレモリ「この世界が辿る可能性のある未来。この世界が辿るかもしれなかった過去。もしかするとこの世界とは限らないわね。でもね、その辿った先の世界もそこから枝が伸びている場合もあるの。だからさっきこの世界が木の幹と例えたけれど、もしかするとどこかの木の幹の枝の一部なのかもしれない」
(2部ベルゼブブ編6章5節)